FX ピボットラインの優位性について
結論からいうと、ピボットラインに優位性はない。
よく、ピボットポイントに7割以上の確率で到達するという根拠から優位性を主張する人がいる。
これにはカラクリがある。
注目するべきは、距離である。
なぜ7割以上の確率でラインに到達するのか?それは、距離が近いからだ。
殆どのケースで、ピボットラインが更新された直後の始値はピボットポイント付近になる。
当然、近ければ近いほど高確率で到達する。
そして、離れれば離れるほど到達確率が減少していくのだ。
これは、優位性のない状況で発生するごく当たり前の現象である。
もう一つ付け加えると、更新後の始値で仕掛けたとしても利確と損切りの位置(いずれもピボットのラインを使用する場合)によっては両方に到達する可能性がある。
到達確率には時系列の考えはないので、実際には利確側か損切り側の片方のみが有効になる。
利確幅を大きくとり損切り幅を小さくした時、当然幅が小さい方に先に到達する可能性が高くなる。
結果、実際の到達確率は大きく下がることになる。
また、ピボット更新後の始値で仕掛けない場合は確率が大きく変動することになる。
例えば、一旦別のラインまでひきつけてから買いを打つとする。
この時、前提が変わるのでピボットラインへの到達確率は激減する。
最後に違う視点にはなるが、ピボットラインで反発したり抜けで大きく伸びているから優位性があると主張する人もいる。
だが、水平線というものは適当なところに引いても反応しているように見えるポイントが必ずといって良いほど見つかるのである。
つまり、ローソクの値動き範囲に適当に引いた水平線とピボットラインを比較しても明確な優位性は見つからないということだ。
パラメータにバリエーションがなく、世界中の人が同じラインを見ているという触れ込みで価値を感じ、ピボットを使用しようとしている人は多いと思うが、思い描くような優位性はないので注意が必要である。