単身世帯の給与所得者が住民税非課税になるケースをわかりやすく解説!【令和2年の所得に係る税制改正】についても言及!

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新型コロナの現金給付を受けるためのキーワードとして、住民税非課税世帯が注目されています。
税制改正によって非課税になる年収に変化があるのかにも触れています。


単身世帯の給与所得者が住民税非課税になるケースをわかりやすく解説!【令和2年の所得に係る税制改正】についても言及!


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今回焦点を当てるモデルケース

タイトルにあるように、単身(シングル)世帯で給与所得で生活している人という条件で説明を進めていきます。

単身世帯とは、世帯員が自分一人の世帯です。

給与所得者とは、雇用されて給与が支払われている人のことを言います。

したがって今回は、配偶者がやお子さんがいる方は対象外ですし、個人事業主も雇われていないので対象外となります。

わかりやすい典型例を挙げるなら、「独身一人暮らしのフリーター」という感じです。


住民税非課税世帯とは?

住民税非課税世帯とは?

あくまでも住民税についてのみの説明ですのでここでは所得税には触れずにいきます。

モデルケースにおいて、住民税非課税世帯となるのはどういう状況なのかを説明していきましょう。

住民税非課税世帯を一言でいうなら、「年収が100万円以下の世帯のこと」です。

なぜ年収100万円以下なのかというと、給与所得者には基本的に2つの控除が約束されています。※その他の控除は適用外という前提で進めます。

控除とは、収入が低い人から税金をとりすぎないようにする仕組みだと考えてください。

まず1つ目の控除は、「給与所得控除」で年収によって変化します。

年収が162.5万円以下の場合は一律65万円になります。

2つ目は、「基礎控除」で全ての人に対して33万円の控除があります。

ここで、少しややこしくなってしまうのですが、住民税には「非課税限度額」というものが設けられています。

これは、設定額以下の所得の場合は住民税が非課税になるというルールです。

その額が35万円です。

もう一度前に戻って考えてみましょう。

年収が100万円の場合、まず65万円の給与所得控除が発生することになります。

すると、35万円が所得となります。※所得=年収-控除額です。

本来は、この35万円に対して住民税の計算を行うのですが、先ほど説明した課税限度額というルールがあります。

年収100万円の場合、所得が35万を越えないので、ルールに則って住民税が非課税になります。


ここで、もう少し踏み込んだ説明をします。

実は、住民税には2種類あります。

1つ目は、「所得割」といって、所得額に応じて変化していくものです。

2つ目は、「均等割」といって、所得額に関係なく一定額が発生するものです。

先ほどのルールの35万円というのは所得割のルールとして説明しました。

では、均等割の方はどうなのかというと、地域によって異なります。

所得割と同じ35万円に設定しているところもありますし、低いところでは28万円の場合もあります。

こちらに関しては自身の自治体のホームページで確認が必要です。

したがって、年収が100万円で住民税非課税世帯になるには、住民税の所得割・均等割ともに35万円以下は非課税というルールが設定されていること前提となります。

もし、均等割の課税限度額が28万円だった場合、均等割分の住民税が発生してしまいます。

ちなみに、均等割の金額は地域で異なり、おおむね4000円~5000円台です。


なるべくわかりやすく説明したつもりですが、みなさんご理解いただけたでしょうか?


最後にもうひとつ。

置き去りにされた住民税の基礎控除額である33万円について説明しておきます。

実は、この基礎控除は、所得割の税額を出すための計算に使われるものです。

住民税が発生するかどうかを左右するものではなく、いくら発生するかにかかわる控除です。

例えば、今回のモデルケースで年収が101万円だった場合どうなるか説明しましょう。

101万-65万=36万これが所得になります。

課税限度額の35万をオーバーしたので、まず所得割の計算をします。

36-33=3万に一律10%をかけると、3000円ですね。

3000円から税額控除額を差し引いた額が所得割の税額です。
※税額控除額の詳細については割愛します。

この所得割の税額に均等割の税額が加算された額が最終的な住民税額となります。


給与所得控除と基礎控除の改正について

給与所得控除と基礎控除の改正について

このたび、令和2年以降の収入・所得に対する給与所得控除と基礎控除の額等が改正されました。

詳細は、以下になります。


給与所得控除

162.5万円以下の収入を例にとると、改正前と比べて控除額が-10万円になります。

【改正前】平成30年度(2018年度)から令和2年度(2020年度)

収入額給与所得控除額
162万5,000円以下65万円
162万5,000円超180万円以下収入金額×40パーセント
180万円超360万円以下収入金額×30パーセント+18万円
360万円超660万円以下収入金額×20パーセント+54万円
660万円超1,000万円以下収入金額×10パーセント+120万円
1,000万円超220万円

【改正後】令和3年度(2021年度)以降

収入額給与所得控除額
162万5,000円以下55万円
162万5,000円超180万円以下収入金額×40パーセント-10万円
180万円超360万円以下収入金額×30パーセント+8万円
360万円超660万円以下収入金額×20パーセント+44万円
660万円超850万円以下収入金額×10パーセント+110万円
850万円超195万円


基礎控除

こちらは、収入が2400万円以下では、10万円アップしますが、それを越える年収では逓減していきます

【改正前】令和2年度(2020年度)以前

合計所得額基礎控除額
所得制限なし33万円


【改正後】令和3年度(2021年度)以降

合計所得額基礎控除額
2,400万円以下43万円
2,400万円超2,450万円以下29万円
2,450万円超2,500万円以下15万円
2,500万円超適用なし

参考:税制改正等の内容 – 国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2018/pdf/01.pdf


非課税基準及び所得控除等の適用に係る合計所得金額の要件等の見直しついて

この見直しの項目はいくつかありますが、今回の記事にかかわる部分のみ抜粋します。

  1. 均等割の非課税限度額の合計所得金額が10万円引き上げ
  2. 所得割の非課税限度額の総所得金額等が10万円引き上げ

引用:北広島市役所ホームページより
https://www.city.kitahiroshima.hokkaido.jp/hotnews/detail_sp/00134644.html

※北広島市の表現がわかりやすかったので引用させていただきました。
※合計所得金額と総所得金額等という言葉が使われていますが、少なくとも今回のモデルケースでは給与所得のみという前提なので通常の所得と同じだと考えてください。

今回の見直しでの変更は、住民税非課税になる基準が10万円引き上げられるということです。

所得割・均等割ともに35万だった地域では、45万になります。

今回引用させてもらった北広島市の場合は、均等割の非課税限度額が32万なので42万に引き上げられるということになります。

ちなみに、今回の改正は令和3年度以降という表記になっていますが、令和2年以降の収入・所得が対象になります。

住民税を納付するのが令和3年の6月からなので、年度をまたいでしまうというのが理由です。


【改正後】住民税非課税世帯になる年収はいくら?

【改正後】住民税非課税世帯になる年収はいくら?

結論からいうと、残念ですが今回のモデルケースの場合、非課税限度額が+10されても、給与所得控除が-10万された55万になるので結果として変化なしとなります。

住民税非課税世帯になるには依然として年収100万円以下である必要があります。

今回のモデルケースとは違いますが、個人事業主の場合は、そもそも給与所得控除がありませんので、その分基礎控除+10万円がプラスに働くということになります。

特に開業当初の個人事業主の環境は過酷なので、今回の改正は評価できます。


まとめ

「独身一人暮らしのフリーター」をモデルとして住民税が非課税になる条件や、住民税に係る知識・税制改正後の情報をお伝えしました。

これを機会に、少しでも税に対して興味を持っていただければ幸いです。

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