1日に摂ってもよい食塩の量はどのくらい?減塩方法・塩分調整について
皆さんは、塩分に気をつけていますか?
日本人は塩分の摂り過ぎだと言われています。
そして、塩分の摂り過ぎは高血圧の原因の1つです。
脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすリスクが高まります。
今回は、1日に摂取してよい目安や減塩のヒントなどをまとめました。
日本の減塩傾向について
2015年4月、厚生労働省の「食事摂取基準」において食塩摂取量の目標値が引き下げられました。
具体的には、
1日の摂取目標値
18歳以上男性:9→8g
同女性:7.5→7g未満
世界の基準をみると、WHO(世界保健機関)の推奨量は1日5g未満となっており、 世界標準から考えるとまだ日本はゆるいといえます。
追記:日本人の食事摂取基準2020年版より
2015年版から5年経過し、2020年版が公表されました。
食塩摂取量について、2015年版の目標値からさらに「0.5gの引き下げ」となっています。
食塩の摂りすぎが、いかに体に良くないかをあらわしている流れですね。
ただ、塩分が多く含まれた美味しい加工品がたくさん出回っている中で、政府機関の提言上でだけ、減塩が進んでいくということに理想と現実の乖離(かいり)を感じてしまいます。
減塩商品もそれなりに出てきていますが、社会全体が減塩傾向にならない限り、効果的なコントロールは難しいと思います。
日本人の塩分摂取量について
日本人が摂取している1日の塩分量の平均値は、10.2gです。
この原因としては、漬物や味噌、醤油などに代表される「日本独特の食文化の影響」が大きいといわれています。
更に、自ら食塩を加減し素材から調理を行うことが少なくなっていること。
カップ麺をはじめとする食塩を多く使用した加工食品に舌が慣らされてしまっていることなどが考えられます。
また、加工食品の食塩量の表示にも問題があります。
今までは、塩分がナトリウムで表示されていたために、実際に何gの食塩が使われているのがつかみにくかったのです。
ナトリウム(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量(g)
このような公式をご存知のかたは少ないでしょう。
このことを受けて、2015年4月ナトリウム表示に加えて、食塩相当量の表示をする方向に国が動きました。
追記:
2020年現在の加工食品の塩分量表示についての所感。
食品会社は、食塩相当量の表示をしっかりと行うようになっています。
塩分をひかえる方法
塩分を減らすための具体的な方法として、以下のようなことが考えられます。
- 加工品は、食塩相当量の表示が徹底されていないので、公式を使って塩分量を把握する
※2020年現在では、かなり徹底されています。 - 白米の量を減らすとおかずの塩分量も自然と減ってくる
濃いおかずほどご飯が進むので、それを逆手に取って利用する。
ダイエットもできて一石二鳥です。 - しっかりと出汁(だし)をとり、その分塩分を減らす
香辛料は無塩なので有効に使う - 汁物の汁は残す
一気に変えようとせずに、徐々に始めて確実に習慣化していきましょう。
カリウムによる塩分調整について
カリウムを摂取すると、余分な塩分を体外に排出してくれます。
ほうれん草、ワカメ、バナナ、りんごなどに多く含まれていますので、食事に取り入れると良いでしょう。
高血圧の方は、これらの食品の摂取を減塩と一緒に行うと効果的です。
ただし、腎臓に問題がある人は、カリウムを積極的にとることには注意が必要です。
医師の判断を仰ぎましょう。
まとめ
厚労省の「食事摂取基準」の中身の変遷を考慮すると、減塩の重要性が高まっていると感じます。
個人でできることもありますが、社会全体、特に食品を提供する企業が一斉に減塩の取り組みをしない限り、なかなか良い方向に進んでいかないのではないかと思います。
そのためには、政府が主導していく必要がありますが、なかなか難しいようです。
参考: 食事摂取基準2020年版 ・ 食事摂取基準2015年版
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html