酵素を飲食しても効果はない?その理由とは
今回は、「酵素とは何か」や、ちまたでたくさん流通している「酵素関係の食品やサプリ」などについて、その効果はどうなのかをお伝えしていきます。
酵素とは?
酵素は、呼吸や消化といった体内の化学反応の触媒の役目をはたすものです。
触媒とは、それ自体は変化せずに他の物質の反応速度を早めるものをさします。
要するに、私達の体の中の働きをスムーズに行うために必要な栄養だと考えれば良いでしょう。
酵素は、体内に3000種類とも5000種類ともいわれるほど多く存在します。
私達の体は、酵素なしでは成り立たないといえますね。
酵素が不足すると、その酵素を必要とする機能が低下することになり以下のような影響がでます。
- 免疫力の低下
- 生活習慣病のリスク
- 肥満
酵素が不足する原因は?
酵素は、たんぱく質の仲間でアミノ酸から作られます。
基本的には充分な量が供給されるので心配ないのですが、材料となる栄養素が足りなくなると当然ながら不足してしまいます。
酵素不足にならない為には、しっかりアミノ酸を摂取しておくことです。
また、酵素の働きを助けるビタミン・ミネラルも不足しないようにすることが大切です。
ちなみに、「一生のうちに体内で作られる酵素量には限度がある」という説もありますが、そのような事実は無いようです。
酵素に関する注意点
酵素は、コラーゲンと同じくそれ自体を摂取したからといって、そのまま体内で働くことはほぼないと言われています。
一旦アミノ酸に分解されてからさまざまな用途に用いられるのです。
この点を、勘違いされている方が多いので注意してください。
エビデンスの一つとして、厚労省のサイト内からの抜粋したものを載せておきます。
酵素はたんぱく質ですから、私たちが口からとったらほとんど分解してしまうんです。だから、酵素を口から摂取してもその活性はなくなり、効果は多分ないと思います。
引用:食品に関するリスクコミュニケーション
~健康食品との付き合い方を考える~ 議事録
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000155112.pdf
酵素配合のサプリメントについて
前述したように、酵素を摂取するとアミノ酸に分解されて、その一部が体内で酵素やコラーゲンなどになります。
ちまたには多くの酵素配合サプリメントがありますが、「酵素配合=アミノ酸の原料が配合されているという認識」でいいのではないかと思います。
サプリメントを購入する主な目的が酵素の場合は、先に書いた理由から、アミノ酸系のサプリメントを摂取する方が断然効率が良いと思います。
ただ、主な目的が他にあり、補助的に酵素が入っているのであれば全く問題ないと思います。
まとめ
酵素は、摂取してもそのままの形で体内で働くわけではありません。
メディアや食品会社が発信していることが常に正しいとは限らないということです。
サプリメントを購入するなら、それを摂取した場合にどういう形で吸収され、何の素になるのかをよく調べた方が良いと思います。
また、新しい事実が後から判明することもよくありますので、常にそういった情報をチェックすることも大事です。