【自作】アルコール消毒液の作り方・市販品売り切れ時の解決方法
新型コロナウイルスなどのエンベロープウイルスの消毒に使えるアルコール消毒液は自作できます。どのような材料と分量で、どういう手順で作ればよいかをしっかりお伝えしていきます。市販のアルコール消毒液が売り切れていても、材料さえ手に入れば消毒問題は解決できます。
新型コロナウイルスなどのウイルスを消毒するには?
新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスは、エンベロープウイルスに分類されます。
エンベロープウイルスとは、脂肪・タンパク質・糖タンパク質で構成されている膜におおわれているウイルスです。
このウイルスは、膜さえ壊せれば死滅させることができます。
そして、アルコール消毒液があれば、その膜を壊すことができるのです。
今回は、市販のアルコール消毒液が手に入らない場合の、代替品の自作についてお伝えしていきます。
市販アルコール消毒液の代わりに!
市販品の正式名称は、エタノール消毒液といいます。
アルコールには複数の種類があり、消毒液用として使われるのがエタノールです。
エタノールは、お酒にもつかわれているアルコールです。
そして、一般人でも手に入れることができますので、消毒液の自作が可能です。
市販品だけに目を向けるのではなく、この機会に自作してみてはどうでしょうか。良い経験になると思います。
以下、アルコール消毒液=エタノール消毒液として読み進めてください。
自作アルコール消毒液の原料について
画像引用:健栄製薬 https://general.kenei-pharm.com/
自作アルコール消毒液の原料は2つだけです。
- 無水エタノール
- 精製水
いずれも薬局に売っています。
無水エタノールの無水とは、水が含まれてないほぼ100%のエタノールという意味です。
精製水とは、不純物がほぼ入っていない水です。
これらを混ぜて消毒用アルコールを作ります。
原料価格について
無水エタノール500mlの税抜希望小売価格は、1720円
※薬局では、1250円~1450円程度で販売しています。
精製水500mlの税抜希望小売価格は、180円
※薬局では100円前後で販売しています。
現在、アルコール消毒液の自作派もかなり増加しており、無水エタノールも手に入りにくくなってきています。
精製水に関しては、売り切れの心配はないと思います。
自作アルコール消毒液の作り方
それでは、具体的な作り方を説明していきます。
アルコール消毒液の濃度について
アルコール消毒液として使うには、エタノールの濃度が一番重要になります。
高すぎても低すぎても効果を発揮しづらくなります。
市販のものは、概ね80%の濃度となっています。
大体70%~80%の範囲内におさめれば殺菌についてベストパフォーマンスを発揮すると考えてください。
ただ、自作の場合はジェル成分のような添加物が入らないので、乾きが早いのが問題点です。
乾きが早すぎると、短時間で隅々まで行き渡らせるのが難しいのです。
その点を考慮して、私は75%の濃度をおすすめします。
細かいことをいうと、混ぜる無水エタノールの量もその分減り、コスパもあがります。
無水エタノールと精製水の分量
無水エタノールの濃度は、正確には99.5%です。
99.5%を75%まで希釈することになるのですが、これを自力で計算するのは面倒ですね。
なので、完成量100ml~1Lまでの無水エタノールと精製水の分量を計算しました。
どうしても80%で作りたいという人向けにそちらも付け加えておきます。
75%アルコール消毒液
完成量 | 無水エタ | 精製水 |
100ml | 75.4ml | 24.6ml |
300ml | 226.1ml | 73.9ml |
500ml | 376.9ml | 123.1ml |
1L | 753.8ml | 246.2ml |
80%アルコール消毒液
完成量 | 無水エタ | 精製水 |
100ml | 80.4ml | 19.6ml |
300ml | 241.2ml | 58.8ml |
500ml | 402ml | 98ml |
1L | 804ml | 196ml |
上記のレシピは、無水エタノール前提でしたが、95%のエタノールを持っている方用にそのレシピも掲載しておきます。
75%アルコール消毒液
完成量 | 95%エタ | 精製水 |
100ml | 78.9ml | 21.1ml |
300ml | 236.8ml | 63.2ml |
500ml | 394.7ml | 105.3ml |
1L | 789.5ml | 210.5ml |
80%アルコール消毒液
完成量 | 95%エタ | 精製水 |
100ml | 84.2ml | 15.8ml |
300ml | 252.6ml | 47.4ml |
500ml | 421.1ml | 78.9ml |
1L | 842.1ml | 157.9ml |
アルコール消毒液の容器を用意する
せっかくアルコール消毒液を作っても、容器が無ければ使えません。当たり前ですね。
一番安く手に入るのは、やはりセリアやダイソーなどの百円均一です。
ただし、アルコールに耐えられる素材である必要があります。
具体的には、PP(ポリプロピレン)かPE(ポリエチレン)のみでつくられた容器が必要です。
PET(ポリエチレンテレフタレート)では溶けて破損してしまいます。
セリアでは、詰替え用スプレーボトルやガラスアトマイザー(携帯用)が該当しました。


上記のような表示がされていれば問題ありません。
アルコール消毒液の作成手順
今回の作り方は、容器の重さを差し引く事ができるハカリの使用が前提です。
- はかりの上に容器を置いた状態で0gにする
- 無水エタノールを分量どおり入れる
- 精製水を完成量になるまで入れる
- フタを締めてしっかり振る
以上で完成です。
これが、1番スムーズに作成する方法だと思います。
しかし、1つ注意点があります。
ハカリによって違いますが時間経過で値がリセットされるものは、ササッと作業しないと台無しになってしまいます。
ハカリの性能は事前にチェックしておきましょう。
使用上の注意点
アルコール類なので当然ですが、火気厳禁です。
特に、スプレー容器にいれて使用する際はお気をつけ下さい。
また、シンプルな消毒液なので、湿潤剤が添加されている市販のものより手荒れが起きやすいです。
使用後に保湿のケアを行うことをおすすめします。
追記:

薬局で手に入るグリセリンP(ひび・あかぎれ用)を添加することで、手荒れを緩和できると思います。
※無水エタノールにグリセリンを混ぜても全く問題ないことは薬局でも確認しています。
値段は、 100mlで400円程度でした。
決まった分量は、情報として出てきていませんが、入れすぎるとベタつきますので、総量の1%あたりからはじめて様子をみるのがよいと思います。
筆者は、4%で作ってみましたが、もう少し少なくてもよいと思います
※2%ぐらいがベストかもしれません。
また、グリセリンに限ったことではありませんが、アレルギーには各自ご注意ください。
まとめ
市販品のアルコール消毒液が売り切れていたなら、原料を薬局で購入して自作してしまうのも1つの手です。
おすすめの濃度は75%で、無水エタノールと精製水を混ぜて作ります。
手荒れが気になるなら、少量のグリセリンを添加するとよいです。
容器は、PPかPEのみで作られたものが必要です。
無水エタノールは、いろいろと幅広く使えるものなので持っておいて損はないと思います。