血糖値と肥満の関係を理解してダイエットに役立てる
血糖値というと糖尿病のイメージが強く、健康な人であれば気にする必要がないと考えてしまうでしょう。
しかし、血糖値は健康だけでなくダイエットの効果にも影響を与えます。
血糖値と肥満の関係について
私達の体は、血糖値が上がりすぎるとそれを下げる為にインスリンを分泌します。
分泌されたインスリンは、エネルギーとして使いきれなかった糖を脂肪に変えて蓄積させる働きがあります。
これが肥満の原因になります。
裏を返せば、血糖値の上昇を管理できるならダイエットに効果があるということです。
血糖値をどのように管理すればダイエットできるのか?
管理と言っても、糖尿病でもない健康な人が、医療器具を使ってその都度血糖値を計測するわけにはいきません。
ここでいう管理とは、体に入る糖質の量をコントロールするという意味です。
以降の項目で、糖質制限をするのに必要な数値などを説明していきます。
血糖値上昇の許容範囲は?
血糖値は具体的にどの範囲内に抑えるべきなのでしょうか?
血糖値の理想的な値
血糖値は、70~140mg/dlの範囲内に収まることが理想とされています。
この範囲でコントロールできるなら過剰なインスリンの分泌が抑制されダイエットにもプラスになります。
今回は、理想値の上限である 140mg/dl を使用して計算を行います。
空腹時の平均的な血糖値
血糖値の上限が確定しましたので、次に空腹時の平均的な血糖値を知る必要があります。
空腹時の平均血糖値は以下のようになります。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代以上 | |
男性 | 90.7 | 89.5 | 91.1 | 93.9 | 98.4 | 104.2 |
女性 | 85.8 | 88.4 | 89.7 | 94.5 | 98.6 | 105.4 |
今回は、20代~40代女性を想定して計算します。
糖質1gでどのくらい血糖値が上がるのか?
次に、糖質1gでどの程度血糖値が上がるのかを把握しておく必要があります。
ある研究データによると、糖尿病を患っていない健康な人の場合、糖質1gで1mg/dl上昇するということがわかっています。
ちなみに糖尿病を患っている場合は、3~5mg/dlも上昇してしまいます。
※今回は健康な人の場合で考えていきます。
1食あたりの理想的な糖質量を計算する
必要な全ての数値がそろいました。
20代~40代女性で、1食あたりどの程度の糖質摂取であれば血糖値を理想上限内におさめることができるのかを算出します。
理想血糖値の上限140mg/dlから先に挙げた空腹時血糖値をそれぞれ差し引いた結果が以下です。
20代女性:1回の食事で糖質54.2g
30代女性:1回の食事で糖質51.6g
40代女性:1回の食事で糖質50.3g
1日3食で計算した場合
20代女性:糖質162.6g
30代女性:糖質154.8g
40代女性:糖質150.9g
これを越えないように食事をすればOKです。
シンプルな糖質制限の例
今回導き出された結果は、かなりゆるい糖質制限に分類されますが、ある程度のダイエット効果は望めると思います。
※120gぐらいでゆるめの糖質ダイエットと考えて下さい。
あとは、どの食品にどれくらいの糖質が含まれているかを抑えておく必要があります。
例えば、白米は茶碗1杯150gで約55gの糖質が含まれています。
糖質を白米のみで摂取することを前提とするなら、20代女性なら茶碗一杯を毎食食べられる計算になります。
白米のみの場合、当然ですが糖質の入った間食は無しです。
飲み物も水やお茶などの糖質が無いものを飲む必要があります。
おかずにしても、じゃがいもやれんこんなど糖質を含んでいるものがありますので事前に確認が必要です。
より効果的な糖質制限ダイエットについて
更に効果的なダイエットをしたい場合、1日100g程度に糖質を抑えれば良いと思います。
糖質を100gとれば人間が1日に必要とする量はクリアしますので、少なすぎるということはないでしょう。
例えば、活動量が少ない夜の摂取量を少なめにするということを考慮すれば、
- 朝:糖質40g(白米110g)
- 昼:糖質 40g(白米110g)
- 夜:糖質 20g(白米55g)
という感じの内訳になります。
※白米のみで糖質を摂取する場合です。
ちなみに、空腹時の血糖値に戻るのに食後3~4時間はかかると言われていますので、食事の間隔は最低3時間はあけた方が良いでしょう。
また、なるべくゆっくり食べることを心がけることも大切です。それによって血糖値の急上昇も回避できます。