AGEs(終末糖化産物)の悪影響について
先日の記事「AGEs(終末糖化産物)が老化現象の原因に!」で、AGEsが老化現象の原因になっていることをお伝えしました。
今回はその他の病気や悪影響について書いていきたいと思います。
AGEsが引き起こす病気
AGEs(エイジス)が関わる病気として3つご紹介します。
AGEsは終末糖化産物といってタンパク質の表面に糖が付着することでできるものなので、それぞれの病気にもタンパク質が関係してきます。
1つずつ見ていきましょう。
歯周病
歯周病は、歯と歯茎の間に繁殖する細菌に感染し炎症がおこる病気です。
炎症が歯茎のみの場合は、歯肉炎、さらに進行した場合は歯周炎(歯槽膿漏)といいます。
歯の大部分はエナメル質なので栄養はありませんが、土台の部分が不安定になると最悪歯が抜けてしまうことになります。
通常は、細菌感染によって起こることが多いのですが、AGEsによって引き起こされる場合があります。
喫煙が歯周病の原因の1つにあげられますが、それはタバコに高濃度のAGEsが含まれているからです。
腎臓病
腎臓には、毛細血管が張り巡らされた皮質という部分があります。
皮質は、血液のろ過を行い尿にする重要な役割を果たしています。
毛細血管にはコラーゲンが使われています。
コラーゲンのAGEs化が進めば機能低下の原因になり腎臓障害がでてきてしまいます。
アルツハイマー病
アルツハイマーの原因物質である、βアミロイドはタンパク質の1種です。
AGEsによってβアミロイドが変性すると蓄積されやすくなりアルツハイマー病の症状である記憶障害や認知機能障害がでやすくなってしまいます。
アルツハイマー病患者では、βアミロイドのAGEs化が通常の3倍進んでいるという研究報告も出されています。
AGEsとガンの関係
AGEsの量は、血糖値×持続時間によって決まりますが、高血糖の人は健康な人に比べてガンでの死亡率が倍になるというデータがあります。
これは、AGEsの量が多ければガンで亡くなりやすいと言い換える事ができます。
また、培養したガン細胞にAGEs化したタンパク質を加えるという実験を行った結果、
がん細胞が増殖し転移が促されたということです。
このことから、うまくAGEs化を防ぐことができるならガンの発症や進行、転移などを防ぐことができる可能性があるといえるのではないでしょうか。
AGEsの受胎・胎児への悪影響
糖尿病や肥満の人の場合、AGEsの影響によって、卵子が老化し受精しにくくなります。
また、染色体異常の卵子が増えてしまう為に受精できたとしても細胞分裂や胎盤着床に問題がでることがあります。
うまく着床できても、妊娠が維持できずに流産してしまう原因の1つになるといわれています。
AGEsは、母体からへその緒を介して胎児にも悪い影響を与えます。
AGEsを多く受け取ってしまった赤ちゃんは、産まれてから1年程度経過後にメタボ関連数値に異常がでることも多いということです。
もしお母さんが妊娠中にAGEsを多く含んだものを好んで食べていた場合は、
離乳食を食べるようになるとAGEs化が進む傾向があります。
それは、妊娠時にお母さんが食べていたものに味覚が影響され同じようなものを好むようになるからです。
また、母乳にもAGEsは含まれるのですが、それよりも粉ミルクの方に多く含まれるということなので、可能な限り母乳で育てるのが良いでしょう。
これらのことから、お母さんは子どもの為に妊娠中から食べ物には気を使うべきだという結論になります。