食物アレルギーを抑える物質を発見!根治薬の可能性も
先日、東大の研究により、食物アレルギーを抑える物質を発見したというニュースが流れました。
今回は、食物アレルギーとこの研究結果について書いていこうと思います。
食物アレルギーについて
食物アレルギーとは、食物を摂取した時に体が異物の侵入と勘違いし、それを排出しようと過敏に反応してしまう事をいいます。
食物アレルギーには、大きく2種類に分類され、
即時型と遅発型があります。
即時型とは
即時型は、食物摂取直後から2時間以内に症状がでます。
アレルギーの多くはこの即時型になります。
主な症状としては、
・じん麻疹
・湿疹
・下痢
・咳
などがあります。
即時型には、アナフィラキシーという症状があります。
短時間で、全身に症状がでるのが特徴で、
皮膚や粘膜の症状に血圧低下や呼吸器系の症状が出た場合、アナフィラキシーの可能性が高いと言われています。
時には命の危険もありますので、異常を感じたら医療機関を受診するほうが良いでしょう。
遅発型とは
遅発型は食物摂取から数時間後に湿疹や掻痒などの皮膚症状が認められます。
※湿疹は、皮膚炎と同意。 皮膚表面の炎症のことで多くはかゆみを伴う。
※掻痒とは、皮膚をかいたりこすったりしたくなる不快な皮膚感覚のこと。
代表的なアレルゲン
代表的なアレルゲンとしては、
卵、乳製品、大豆、小麦などがあります。
近年アレルゲンになる食品は増加傾向にあります。
食物アレルギーの現状
現在、食物アレルギーをもつ人は120万人とされ、増加の一途をたどっている状況ですが、
それとは逆に、原因解明や治療法の確立は遅れています。
食物アレルギーは、乳幼児にも多く見られます。
これは、消化管の酵素・免疫が未発達なために起こるもので、
多くは、3歳頃には改善されますが、約10%ほどは大人になっても改善されないケースがあります。
どうやって食物アレルギーを抑えるのか?
今回の研究で、
アレルギー反応の原因とされるマスト細胞(免疫細胞の1種)がつくりだす、プロスタグランジンD2(PGD2)という物質が、アレルギー症状の悪化を防ぐ作用があることがわかったということです。
今後期待されること
PGD2を応用した薬の開発により、食物アレルギーの根治が期待されます。
直近の方向性としては、アレルギー抑制メカニズムの解析を進めるとのことです。
現状、マウス実験レベルなので、順調に結果をだしていただいて「人への有効性が確認された」というニュースが飛び込むことを期待したいですね。