筋肉の基礎代謝は大したことがない・・・でも筋肉をつける価値は高い
筋肉をつけて基礎代謝を上げ、痩せやすい体をつくろう!
というキャッチフレーズはたくさん見かけます。
でも調べてみるとどうやら誤解があるようです。
ただ、筋肉をつけることで痩せやすくなるという経験則はあるんですよね。
今回は、筋肉をつけることがどのようにダイエットに貢献するのかを考えてみようと思います。
筋肉をつけて基礎代謝を上げるという事への誤解
まず、筋肉を1kgつけた場合の基礎代謝の増加は約13kcalしかありません。
1kgつけるのがどのくらい大変かというと、プロボディービルダーが1年に増やすことができる筋肉量が2-3kgであるということを考えると想像がつくと思います。
筋肉を増やす為につかう労力に対する見返りとしては小さすぎますね。
そして、知らない方も多いかもしれませんが、脂肪も基礎代謝の一部を担っています。
その大きさは、脂肪1kgで約6kcal(4.5や5など諸説あり)あり、脂肪が消えると代謝がその分落ちることになります。
筋肉と脂肪では倍ちょっとの差がありますが、脂肪の方が圧倒的に減らしやすいので、どのくらい脂肪を落として痩せるかによりますが、脂肪減少による基礎代謝の低下を穴埋めするには筋肉量の増加では追いつかないでしょう。
具体的には脂肪5kg落とした場合、筋肉は2.5キロ近く増やさないとプラスマイナス0にできないということになります。
ですがこれも冷静に考えれば、埋められない部分はそれだけ摂取カロリーを減らせば済むことです。
例えば脂肪を10kg落としたとしてもその分の基礎代謝は-60kcalでしかありません。
その程度なら食事制限で落とすのは難しくありません。
脂肪の減少による基礎代謝の低下は、無駄な脂肪をなくした結果、本来の基礎代謝に戻っただけという考え方で良いのではないでしょうか。
では、筋肉をつけることは無意味なのか?
次の項目でその点について考えてきましょう。
ダイエットのために筋肉をつけることの意味
前の項目で、ダイエットの為に筋肉をつけて基礎代謝を上げ、痩せやすい体にするというのは誤解があるということがわかりました。
何もしないよりは、脂肪の減少による基礎代謝低下を補う為に筋肉をつけることには意味がありますが皆さんが期待するほどの効果はないわけです。
筋肉を1kgつけたとしても、1日に13kcalの消費。
脂肪細胞を1日に約2g消す程度です。
月に60g程度しか脂肪が無くならないとなればモチベーションが下がりますね。
基礎代謝以外に何か筋肉をつける意味はないのか?ということになるのですが、
その質問への答えは3つあります。
- ボディメイク(スタイルを良くする)
- 生活活動代謝の効率アップ
- 筋トレ後の代謝アップ
それぞれ説明していきます。
ボディメイク
1つ目のボディメイクはカロリーとは関係ありませんが、スタイルをよく見せるにはメリハリのあるボディラインが必要で、それを作るのに筋肉は大きな貢献をしてくれます。
男性の方が筋肉がつきやすいのでその分効果は大きいですが、女性でもバストアップなどに貢献します。
生活活動代謝の効率アップ
この2つ目がカロリー消費アップの本命といって良いと思います。
生活活動代謝というのは、日常生活の体の動きにともなって発生するカロリー消費です。
スポーツもそうですが、家事や階段の昇り降り、歩いたり走ったりなど全ての体の動きが対象になります。
筋トレをして筋肉をつけているのといないのとでは、この生活活動代謝の消費量に大きな差がでてきます。
筋トレ後の代謝アップ
3つ目は、筋トレ終了後2-3日の間は100-200kcalほど代謝量がアップするという効果です。
有酸素運動と違い、短時間で終わってしまう筋トレはその分カロリー消費には不利だと思われていましたがそんなことは無いということですね。
むしろ効率的と言えるでしょう。
ちなみに、有酸素運動では運動中のカロリー消費しかありません。
まとめ
これらの理由から、例え基礎代謝アップでのダイエット貢献度はそれほど高くなくとも、他の利点を考えれば筋トレはダイエットに積極的にとりいれていくべきものだということがわかると思います。